教育実践研究所「EduPrac」服部英雄のブログ

授業研究、生徒指導、学級経営、子育てなど教育実践全般についてのブログです。

県夏季研修会授業

今日,県の国語連盟の幹事の先生が,本校にいらっしゃいました。
あいさつに来られたそうです。夏季研修会の授業について。

今年の夏休み。
8月8日と9日に,県の国語連盟の夏季研修会があります。
そこで,授業を公開するのです。授業公開の後には,その授業についての講話もします。

公開日は,9日です。場所は,県立の体育館です。
そのステージで授業をします。

今担任している子どもたちを連れていきます。
子どもたちも,そのことを知っています。
しかし,先のことであるし,どのような場所かも分からないので,ピンときていない様子です。

教材は,「海の命」にしました。
以前から提唱している,パフォーマンス単元を公開しようと考えています。

このパフォーマンス単元というのは,言語活動を中核に,特に表現活動,読解と表現を行き来しつつ学習を進めていくというものです。詳しくは,サイドバーの拙著にありますので,よろしければ,読んでいただければと思います。

実は,パフォーマンス単元の研究に取りかかったのは, 2000年からです。当時,2年生を担任していました。「スイミー」の教材で,「ミニミュージカル」というパフォーマンスを中核に単元を構成し,授業公開もしました。それ以降,研究を続けているので,新学習指導要領で,言語活動が重視される10年以上前から,研究にとりかかっているのです。別の言い方をすれば,ようやく指導要領が追いついたのです。

さて,「海の命」では,「トーク番組」をパフォーマンスに,つまり言語活動として単元の中核に据えます。トーク番組では,ホストとゲストがいて,問いとそれに対する答え,会話で進んでいきます。ですから,「海の命」では,主人公の太一さんをゲストにホストが問いかけたり会話したりするわけです。

このトークをよりよいものにするためには,ゲスト役は太一のことを行動や様子,心情を理解しなければなりません。つまり,同化して読解しなければならないのです。また,ホストの方も,ゲストについて調べて,的確な質問をしなければなりません。つまり,ゲスト役もホスト役も,テキストをしっかりと読解なければならないのです。

ところで,この県の夏季研修会ですが,年々参加者が減っています。財政難から出張旅費が捻出できない,他の出張があってそれに参加できないなど,いろいろな理由が考えられます。しかし,多いときは,1500人から2000人近く参加があったのですから,今年度は,ぜひたくさんの先生方の参加をお願いしたいと思います。

県内の先生方で,このブログをご覧いただいている方は,ぜひぜひご参加ください。また,参加ご予定の先生方も,お知り合いの先生方をお誘いいただければと思います。

もちろん,県外の先生方でも参加は可能だと思います。
たくさんの先生方に参加いただくことで,授業をするモチベーションも上がります。よろしくお願いしたいと思います。



ランキングに挑戦中です。
人気ブログランキングへ
こちらをクリックして 投票をお願いします。

2年生国語「黄色いバケツ」

2年生の国語の教材です。
改定前の教科書では,上の巻末に読み物教材として掲載されていました。
改定後では,夏休み前の読書教材として掲載されています。

お話は,キツネの子どもが黄色いバケツをみつけ,それが自分のものになるかどうかを待ちながら,一週間をそのバケツと楽しく過ごすというものです。しかし,一週間後,そのバケツはなくなっています。キツネの子どもにとっては残念な結果ですが,そのバケツと過ごしたキツネの子どもは,その一週間に満足するという結末です。

この教材を分析することにします。

(1)題名分析
 「黄色いバケツ」は,登場人物ではありません。登場人物のキツネの子どもが,一週間かかわる対象のものです。それを題名としているということは,この「黄色いバケツ」を中心に,お話が進むことを暗示します。しかし,題名からだけでは,それがよく分かりません。これは,お話の最初の「きつねの子が」という書き出しとの関係で明らかとなります。
 ということは,この題名は,物語のひとつの象徴であることになります。つまり,このバケツが,お話の中核にあり,お話が展開していくことを示しているのです。そして,「黄色」がきつねの色と同調していることも,このお話の特徴であると言えます。赤や青ではなく黄色であることが,きつねにぴったりのものということを示しているのです。

(2)出来事分け
月曜日
・きつねの子が,黄色いバケツを見つける
・うさぎの子やくまの子と一緒に見て,一週間待つことを決める
火曜日
・1日じゅう黄色いバケツを見守る
水曜日
・魚をつって黄色いバケツに入れることを想像する
木曜日
・黄色いバケツで木に水をやる
金曜日
・雨にぬれているバケツを心配しながら,月曜日には自分のものになることを楽しみにする
土曜日
・自分のものになったことを想像して,名前を書くふりをする
日曜日
・風に飛ばされないようにするが,飛んでいってしまう夢を見る
月曜日
・バケツがなくなっていたが,一週間いっしょに過ごしたことに満足する

(3)主題分析
主材…きつねの子と黄色いバケツの一週間
主想…物でありながら,それに対する思いや愛情

(4)視点分析
【三人称限定視点】
語り手は,きつねの子に寄り添いながら,その内面にだけ入り込んでいる。したがって,読者は,きつねの子に同化しながら読んでいくことになる。特に内面に入り込んでいる,最初の月曜日,木曜日,金曜日,日曜日,最後の月曜日は,きつねの子の心情をそのまま感じることになる。また,入り込んでいない日は,きつねの子を異化して見ることになり,その心情を行動や様子から想像することになる。この同化と異化を読者は,行き来することで,きつねの子の黄色いバケツに対する思いをより,切実に感じることとなる。

この後,登場人物分析,レトリック分析と続きますが,長くなるので,今日はここまでとします。




ランキングに挑戦中です。
人気ブログランキングへ
こちらをクリックして 投票をお願いします。

国語「漢字の学習」

漢字の学習には,いろいろな方法があると思います。
例えば,空書きをしながら覚える方法,漢字帳に練習して覚える方法,他にもいろいろ考えられます。

私は,今から,もう20年以上前から,次のような方法をとっています。

それは,「お話づくり」です。

これは,漢字の部首や画をバラバラにして,それらを使って,一つのストーリーを作るというものです。
例えば,「将」という漢字であれば,

『「1つのパンを買ってノッている一寸の将軍』

のようにします。
「1」「ン」「ノ」「ツ」「寸」が,「将」の部首や画になります。それらを用いて,ストーリーをつくるのです。

このとき,いくつかのルールがあります。
まず,書き順どおりであることです。書き順が違っていると,覚えても書くときに間違った順で書くようになってしまいます。それを防ぐためです。

次に,最後にその漢字を使うということです。
例の「将」なら,最後に「将軍」という言葉で,「将」の字を使っています。

そして,ストーリーがおもしろいことです。
「一寸の将軍」って,どれだけ小さい将軍かと想像するとおもしろくなってきます。

また,ストーリーが短いことも大切です。
ストーリーが長いと,それだけで覚えるのが大変になります。このとき,ごろの良さなどにも気をつけるようにします。

さらに,ストーリーが美しいのも,推奨します。

これらのルールを守りながら,子どもたちに考えさせ,それを交流して学習を進めます。

「認」…侍はった。「おぬし,者か」「いかにも」とめた。
「呼」…口ノソ十ぶ。
「吸」…「口ノフフー」と
「存」…一ノ1在がうすい

このように,つくっていきます。

さらに,このお話を言いながら空書きしたり,漢字のテストをしたりすると,より効果的です。

この学習,一見ふざけているように思われるかもしれませんが,漢字学習の意義をたくさん含んでいます。

まず,漢字の部首の名前や意味を覚えることができます。
漢字を部首や画に分解するときに,その部首の名前や意味を覚えるようになるのです。

次に,漢字の仕組みを理解することができます。
漢字は,部首がその字の意味の一部を,つくりが音を,それぞれ意味しています。それらが組み合わさって,一つの漢字になっています。そのことに自然と気づいていくのです。

そして,暗記がしやすく忘れにくくなります。
どんなお話にしようかと漢字を,よく見ることで,暗記につながります。また,ストーリーが語呂合わせの効果もあり,忘れにくくします。

さらに,何よりも,子どもたちが漢字を楽しく学習することができます。楽しく学習して,暗記しやすく忘れにくいという,とってもいい学習法だと考えています。



ランキングに挑戦中です。
人気ブログランキングへ
こちらをクリックして 投票をお願いします。
プロフィール

weavingbe

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

タグ絞り込み検索
記事検索
  • ライブドアブログ