「教育実践を語る」服部英雄のブログ

授業のこと,学級経営のこと,家庭教育のことなど,教育全般にかかわることについて,これまでの経験や研究をもとに語っていきたいと思います。

「こんな時に叱ります」宣言

始業式が済んで、子どもたちと初顔合わせをすれば、次は、さまざまな取り決めをします。
学級代表、係活動、掃除場所、席決めなどなどです。
高学年だと、委員会やクラブ活動なども決めなければなりません。

それらの決め事を済ませて時間があれば、学級指導です。
学級経営案は、始業式後の学級指導で済ませているので、次は「こんな時に叱ります」ということを子どもたちに説明します。

一般的に子どもたちは、優しい先生を希望します。よく叱って怖い先生を嫌う傾向にあるのです。
しかし、子どもたちは、「怖い」と「厳しい」の区別をあまり理解していません。どちらも同じと考えがちなのです。

と同じように、 「優しい」と「甘い(放任)」の区別もつきません。
実は、本当に優しい先生だけが厳しくでき、甘くて放任の先生が感情的に怒って怖いのです。

ですから、それらの言葉を子どもたちが理解できるように説明します。
つまり、「優しい」から「厳しく」でき、「甘い」や「怖い」とは別なのだということを伝えるのです。

その上で、「優しくて厳しい」先生であることを示し、「こんな時に叱る」ということを明示します。
つまり、なんでも間でも叱るわけではないということを子どもたちに知らせるのです。

その宣言は、全部で三つです。
一つ目は、「危険なとき」です。
二つ目は、「いじめに関わるようなことのとき」です。
そして、三つ目が、「嘘をついた時」です。

どれも良くないことだということは、簡単に理解してもらえると思います。
「危険なとき」は、心身ともに危うい時です。
「いじめに関わるようなことのとき」というのは、いじめはもちろん、仲間はずれや、冷やかしなども含まれます。
そして、「嘘をついた時」というのは、その文字通りです。

これら三つの時を叱ると宣言することは、それ以外は叱らない、怒らないということです。つまり、なんでもかんでも叱ったり怒ったりしないということなのです。
そうすることで、優しさと厳しさを同居することができます。

学級経営の最初の段階で、この「こんな時に叱ります」宣言をぜひ行ってもらいたいものです。

 
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15分で子どもの名前を覚える

明日は新年度の始業式です。
行事予定では着任式があり、その後に始業式です。

始業式では、担任発表があります。
この時の子どもたちの反応が楽しみでした。
どんな反応をするのか。

「やったー」という歓喜もあれば、「あーあ」という失望もあります。
ちなみに私の場合、ほとんどが前者でした。

ほとんどというのは、学校長が事前に、そういう声をあげないようにと言ってから担任発表をした時が数回あって、その時は子どもたちの反応がなかったからです。

さて、始業式後は、学級指導となります。
そこでは、教科書やノートや教材(ドリルなど)を配布したり、いくつものプリントを配布したりします。

それらが終わって、いよいよ学級指導と呼べるものになります。
そこでは、まず、教師が自己紹介をして、その後に子どもたちが続きます。

この子どもたちの自己紹介の時に子どもの名前を覚えます。
その覚え方は、次の通りです。

一人一人自分の名前を言うようにします。座っている順にです。そして、1列終わったら、その名前を覚えているかテストします。覚え方は、何かにたとえる方法、兄弟関係を手がかりにする方法、などを活用します。

そして、1列が済んだら次の列というように進めていきます。時々、忘れそうな名前を列とは関係なく確認したり、確認の時に名前を連呼して面白くしたりします。

各列確かめテストをしつつ、半分ぐらいでそれまでの名前を覚えているかテストします。
30人の学級だと半分で15人となります。

その後も各列を同様に自己紹介と暗記に使い、全員の自己紹介が終わった時に全体を復習します。ここまでの時間が、学級の規模によりますが、30人前後なら10分から15分で覚えることができます。

全員をテスト形式で言い終えた時、子どもたちから自然と拍手と歓声が起こります。
子どもたちにとったら、そんな短時間で覚えるのがすごいという気持ちや、先生と一緒に新しい学級を迎えたという喜びから、拍手と歓声につながるのでしょう。

この暗記法は、「ペグ法」と言います。子どもたちの座席に名前をペグで打ち込んでいく暗記の仕方なのです。ですから、子どもたちが、自分の席を外れて自由に動き出すと全員を記憶して名前で呼ぶことは困難になります。

それはそれでもいいのです。大切なことは、短時間で名前を覚えたということで、そこに子どもからの驚きや信頼感が生まれ、その後の学級経営に良い影響を及ぼすということなのです。 

そして、このような学級での子どもとの関わりの後に、学級経営案を子どもたちに示します。 


 
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始業式に向けて2

始業式とその後の学級での初顔合わせに向けて、準備しなければならないことがまだあります。
それは、前担任からの子どもの情報を聞き取ることです。

ある意見では、前担任の情報が先入観になると言って聞かない、というのもあるようです。
その意見の裏では、「実際に自分が見て取らなければいけない」や「先入観で見誤るかもしれない」などの意味があるようです。

しかし、近代哲学者のガダマーは、先入観がなければ理解できないと言っています。ガダマーは、先入見と言っているようですが、それは翻訳の仕方です。

大切なことは、先入見である程度理解の地平を狭めておいて、その上で自分なりの理解をしておくということなのではないでしょうか。哲学的な知見はないので、興味のある方は、ぜひ調べてみてください。

確かに、先入観や先入見なしでは、理解するのに時間がかかるでしょう。
また、独りよがりとなり、間違った理解もするかもしれません。

そこで、先入観となる情報を持ちながら、実際の理解を深めていくのがいいのではないかと思います。その方が、理解の深さや速さが保証されます。

とにかく、子どもたちを深く理解するのにどんな方法がいいのかという視点で考えなければならないと思います。なぜなら、全ての教育は子ども理解を原点とするからです。 

  
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