「たぬきの糸車」の教材分析と指導案です。

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  「たぬきの糸車」は、おかみさんといたずら者のたぬきのかかわりを描いた作品である。最初いたずら者のたぬきとしか思っていなかったおかみさんが、自分のまねをすることから「いたずらもんだが、かわいいな。」と思うようになったり、わなにかかったのを助けたりする。ここまでのかかわりで、おかみさんはたぬきに対する認識を変容させていると言える。一方たぬきは、冬の間に、おかみさんをまねて、たくさんの糸を紡ぐ。それは、一見、わなから助けてもらった恩返しだと言えるが、単に、自分がやりたかった糸車のいたずらを、やり遂げたのだとも言える。たぬきの心情描写が少ないので、どちらだとは断定しづらい。いずれにせよ、おかみさんとたぬきのかかわりが作品の面白さを生み、読者を引き込んでいくと言える。

 このような物語を読んでいく子どもたちは、自ずとおかみさんに同化する。それは、おかみさんが視点人物であり、たぬきが対象人物となっているからである。つまり、語り手はおかみさんの側にいて、おかみさんの目でたぬきを見たり、おかみさんの心の中に入ったりしているのである。また、「むかし、ある 山おくに」という始まりから昔話の形態をとっていることや、最後の「かえって いきましたとさ。」から語りの文体であることが分かる。以上のことから、このお話の特徴を考えると、昔話の語りでおかみさんに同化して読むことを促すと言える。

 このようなお話の特徴を生かすパフォーマンスとして、「おはなし出てこい」を設定した。「おはなし出てこい」というのは、学校放送用にたくさんのお話を収録した音声教材である。そこでは、一人の語り手が、お話を読み聞かせてくれる。中にはBGMや効果音などもあって、「ラジオドラマ」に似ている。「たぬきの糸車」をそのお話の一つとして設定し、子どもたちが語り手になって、お話を語る。  具体的な学習の流れは「ラジオドラマ」とほぼ同じである。ただ、単元の主題が少し異なるのと、「自分なりの読み・自分たちの読み・自分の読み」という流れを強調するため、活動テーマを次のように設定した。それは、『自分の「おはなし出てこい」をつくろう』『自分たちの「おはなし出てこい」をつくろう』『「おはなし出てこい」をろく音しよう』である。

 まず、一つ目の活動テーマでは、子どもたちが音声表現したい場面をそれぞれ選び、どんな語りの工夫をするかワークシートにまとめていく。そのとき、どんな叙述にこだわったのかもはっきりさせておく。

 二つ目のテーマでは、場面ごとに自分の工夫やこだわった叙述を交流し、おかみさんの心情やたぬきの様子や行動を読み深めていく。場面は、一つ目が最初からおかみさんが二つの目玉に気づくまで、二つ目は「いたずらもんだが、かわいいな」まで、三つ目はおかみさんたちが春になって小屋に戻ってくるまで、四つ目が茶色のしっぽがちらりと見えたまで、五つ目が最後までの五つである。

 三つ目の活動テーマでは、これまでの学習を振り返りながら、自分の語りを改良して完成させ、最後に録音する。そして、活動をよりリアルにするため、BGMや効果音も用意して、「おはなし出てこい」を完成させる。

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詳しい教材分析については,また次回やりたいと思います。

 

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