小中連携が,一つの教育課題となっています。
それは,本市だけでしょうか。数年前には,県内のある小学校の研修会で話題になったことがあります。また,前任校の附属小学校でもその研修会を開いたことがあります。

その課題の一つの解決策として,中学校の先生が小学校で授業をする,出前授業が,今日ありました。
3時間目にその授業が予定されていましたが,中学校の先生方は,少し早い時間に来られました。事前の打ち合わせをするためです。

今回の授業は,算数です。中学校の先生からは数学となります。
授業内容は,事前にテストした算数調査をもとに,子どもたちが苦手にしていることをもとに復習的な問題をしながら,中学校でのやり方を紹介するというものでした。

子どもたちが苦手にしていることとは,割合などの数量関係に関わることでした。

授業は,日番の号令で始まりました。
中学校の先生は,少し緊張されているようでしたが,プリントを配り,個別に問題を解かせるという,授業を展開されました。

問題は,「分速20mで進む弟ガメが進む道のりをy,時間をxとして,その関係を式に表しなさい」というものでした。小学校の算数では,このような数量関係の学習は,まず表を書いて,その表をもとに関係の式を書くというものでした。

ですから,この問題だけで,式に表せるのかと少し不安でしたが,子どもたちは,わりと簡単に式に表しました。それは,この問題の前に,「速さ」に関する学習の復習をされたからだと考えられます。

そして,次の問題,「それをグラフに表しましょう」「先にスタートした兄ガメと何時何分に追いつくでしょう」に取り組んでいきました。こられの問題にも,わりと自然に,子どもたちは解いていきました。

この子どもたちの姿には,驚きました。比例の関係や速さの関係に子どもたちが,かなり理解を深めていることが分かるからです。

ほとんどの子どもが,これらの問題を自力で解くことができました。
授業では,それをグループで交流し,グループの代表が発表するという形でした。

さらに,次のプリントが配られ,子どもたちは,問題を解いていきました。

以上のような授業で,先生は,子どもたちを指名したり個別に発言させたりすることは少なく,全員に問いかけてつぶやかせるという活動を中心に進められました。子どもたちは,しっかりとつぶやくことができました。

授業は,少し伸びましたが,子どもたちも十分満足した授業内容でした。特に,中学校ではこうやるという説明のときは,興味津々で聞いている子どもたちがほとんどでした。もちろん,その内容が難しいと感じた子どもたちもいます。それでも,全体としては,それほど難しくなく,文字を用いた式や,それを解くことを理解していきました。

さて,このような小中連携の方法では,出前で授業をするということより,つまり,子どもたちが中学校の先生やその授業に触れるということより,これを契機に小中の先生が,いろいろ話すということが重要だと思います。

子どもたちのことについて,中学校の先生と小学校の先生が互いに語り合うのです。そのことこそが小中連携につながると思います。そうすることで,お互いの立場や,授業観や子ども観などを話し合うのです。話し合って,お互いの考え方を理解したり,共通理解したりするのです。

実は,このような小中のかかわりこそが重要なのではないかと,痛感した1日でした。



 

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