小学校も高学年となると,思春期間近となる子どもが出てきます。
思春期間近なので,プレ思春期と呼んでいますが,身体的・精神的に発達の早い女子の方が,その時期に入りやすくなります。

このプレ思春期に入りつつある子どもたちの扱いを間違えると,子どもとの関係が悪くなったり,学級がギスギスしたりします。

そのときに出会った文献が,「少女反抗期」です。著者は誰だと思います?
今,尾木ママとしてブレイクしている,尾木直樹氏です。

今から,20年以上前ですから,現在は絶版となっています。図書館等で見ることができると思います。
その書に書かれていたことが,今も,高学年を担任したときに参考となっています。

特に,なぜ,プレを含め思春期に入ると女子が,グループをつくったり,扱いが難しくなるのかということの分析が興味深かったのを覚えています。

それによると,日本における,男子と女子の育て方の違いだと言うのです。今だと,ジェンダー理論があり,男女の社会的な違いが,その育て方や社会の状況によるというのは,かなり有名です。しかし,それ以前に,育て方に着目されたのは,かなりの達見と言えると思います。

では,どのような違いがあるのでしょうか。

氏によると,男子は,小さいときから将来自立することを前提に育てられますが,女子は自立を前提には育てられないというのです。女子はむしろ自立ではなく,将来よき家庭人として家庭を守ったり夫に従っていくことを前提に育てられるのです。

例えば,幼児が転んで泣いているときの様子を想像してみてください。
男子の場合,「男の子が,そんなことで泣いてどうする」と叱咤されます。一方,女子は「転んだの? もう大丈夫だからね」と共感,保護されます。この扱いの違いが,子どもたちに自立の差が生まれるというのです。

つまり,男子には小さいときから,自立の力が身に付いていますが,女子にはそれがありません。しかし,思春期になると,自ずと自立が自他から要求されます。男子は,自立の基礎力があるのでそれに耐えられますが,女子は基礎力が弱いのでそれに耐えられません。したがって,同じ弱いもの同士グループをつくるのです。

このことが分かれば,女子に対して,特にグループを作っている子どもへの接し方が違ってくるのではないでしょうか。その接し方や,指導法については,次回のブログに書きたいと思います。


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