3 ほめ言葉
(3)ほめる・叱るは即効性がある

「そんなことをしてはダメ!」
と,大きな声で叱ることがあります。
 叱られた子どもは,ビクっとしたり,シュンとしたり,泣き出したり,いろいろでしょう。

 でも,ほとんどが叱られたときに,やっていることを止めたり,反省したりするのではないでしょうか。もし,止めなかったり反省しなかったりする場合は,叱り方が悪かったのです。

 ところが,叱られてシュンとなっていても,またしばらくすると,同じ良くないことをしている,叱られたことを忘れたようにケロッとしている,なんてこともしばしばあるのではないでしょうか。

 これは,叱ることの特性なのです。つまり,即効性はあるのですが,持続性がないのです。同じことは,ほめることにも言えます。がんばっているなと心が動いてほめても,次の日にはもうがんばってないなんてことはよくあることなのです。

 この,「即効性はあるが,持続性がない」ことを理解しておかないと,「前にも叱ったのに」「前はほめるほどだったのに」のように,落胆する原因となります。大人の落胆は,子どもたちにとって,決してうれしいものではないのです。

 では,どうすればいいのか。これは,ほめることと叱ることで少し違います。ここでは,叱ることを中心にまとめたいと思います。

 まず,叱る場合を限定します。それは,危険な時です。怪我をしそうなとき,命にかかわるような時です。そして,心を傷つけるような時です。人をバカにしたり見下したり,いじめたりする時です。さらに,嘘をついたときです。

 次に,叱るような状況ではないけれども,注意をしなければならないようなときですが,基本的に話し合います。この話し合いをカンファレンスと呼びます。

 カンファレンスでは,何が問題なのかを明らかにします。そして,その問題を解決するにはどうしたらよいか,その解決に先生(親)は何ができるのか,これらのことを冷静に話し合うのです。

 そして,同じような問題状況で,子どもがどうしているかを観察します。観察して,話し合ったとおりに行動していれば,それを認めることばがけをし,できていなければ当然の結果を体験させます。

 忘れ物をする子どもに注意するときを例に説明します。

 まず,カンファレンスです。忘れ物をする理由や原因を明らかにします。例えば,朝あわてて時間割を合わせていることが原因だとします。その場合,それを解決するにはどうしたらいいだろうと,一緒に考えるのです。そして,寝る前に準備して,朝もう一度確認するという方法を導出したとします。それができているかどうかを観察するのです。

 この観察は,学校でも簡単にできます。忘れ物をしているかどうかをチェックすればいいのですから。そして,できていれば,すぐにほめず,しばらく様子を見ます。そして,かなりできるようになったころに,そのことを認めるようにします。

 一方,できていないときは,当然の結果を体験させます。忘れ物の当然の結果は,困るということです。ですから,簡単に,忘れたものを貸したり補ったりするのではなく,しばらくは困らせます。ある程度困ったところで,当然の結果について確認します。

「ね,忘れ物をすると,こまるでしょ。」
その後に,忘れた物を貸したり補ったりするのです。




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