子どもが,自らの感情を理解し,それをコントロールすることができるように指導することも,教師の指導技術の重要なことだと考えています。

子どもは,感情についての知識について学ぶことは,ほとんどありません。大人になる過程で経験的に学んでいくことが,一般的ではないでしょうか。

しかし,人間は感情の生き物です。ですから,その感情を理解すること,それをコントロールすること,それを学問的に理解することが,子どもの将来に生きて働くと考えているのです。

では,どのように指導すればいいのでしょうか。

よくあるのは,子どもの感情的な出来事をとりあげて指導することです。

先日も,ある子どもが「怒り」の感情をうまくコントロールすることができない出来事があり,それをとりあげて指導しました。

日本でよく言われている「喜怒哀楽」の感情で,「喜」「楽」はプラスの感情なので,それほど問題ではありません。一方,「怒」「哀」の指導は,なかなか難しいのではないでしょうか。

難しいと言ったのには,子どもが「怒」「哀」の感情表現をしているときにどのような言葉がけをしたらいいのかというのが明確に示されていないからです。ということは,具体的な指導の手だてが明確化されていないことになります。

今回の指導では,自分の感情を知って受容するために,「実況中継」と「腹式呼吸」を指導しました。

「実況中継」というのは,自分の感情を心のなかで,
「今,自分は怒っている。腹が立っている。」
のように,自分の気持ちを実況するのです。

これは,緊張しているときや落ち込んでいるときにも使えます。そして,実況することでそれらの感情や状況をメタ的に理解することができるようになり,その感情に埋没することがありません。ですから,それぞれの状況から立ち直ることも早くなります。

つぎに,「複式呼吸」です。

「4つ数えながら鼻から息をすって,一旦止め,8つ数えながら口から息をはく」
という呼吸法です。息をはくときは,ストローを使っているように,細く長くはくようにします。

これらを指導しつつ,体系的な感情の指導もしていきたいと考えています。

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