子どもの積極性や学習意欲について,最近よく考えます。
これらのことは,子どもの個性として考えられ,個性尊重の新自由主義教育では,それはそれでよしとされがちです。

しかし,積極性がある方がいいことも多いし,学習意欲は高い方がいいと考えます。

「この積極性ですが,この学年・学級は,おとなしいから…。」
という言説で収束することが多いように思います。そして,どのように積極性を育めばいいのか,学習意欲を高めていけばいいのか,現場の教師はなすすべのない状況で次の学年に送るということで終わっているように思われるのです。

しかし,子どもの積極性は育むことができます。そのヒントは,子どもの「選択力(決定力)」や「情動」なのです。

おとなしいと言われる子どもたちは,まず,「選択力(決定力)」が乏しいことが多いようです。これは,これまでの実践からの知見です。つまり,AかBかと問われたときに,なかなか決定できない,あるいは「どちらでもいい」と答えてしまうことが多いのです。

これは,自己主張が弱いとも考えられますが,この自己主張も積極性と関連があります。それ以上に関連が深いのが,子どもの「情動」なのです。子どもの「情動」が激しい方が,積極性も顕著であり,激しくない方が消極的であることが見られるのです。

そこで,子どもたちの積極性を伸ばすには,この情動面を意識しつつ,自己決定場面を用意し,悩まずに決定できるよう促すことが有効です。

例えば,情動的な決定場面としては,「Aということが好きかどうか」を問いかけて,時間をかけずに決定させるのです。好きかどうかというのは,多分に情動的です。それに対して,迷う時間を与えずに答えるように促すのです。これをいろんな場面で導入することで,子どもの積極性は異なってきます。

子どもの積極性や学習意欲は,多分にその子どものおかれている状況や関係に影響されていることがあります。ですから,その状況や関係を変えることで,積極性や学習意欲を伸ばすことができるのです。

次の方法ですが,それは,子どもの興味関心を引き出すことです。この興味関心も,どちらかというと情動的です。理性的にとは少し距離があります。また,どんな子どもでも,それぞれに興味や関心のあることがあります。そして,そのことには,好意的に情動が働きます。これを活用して,情動を多感にしていくわけです。

「この学級の子どもたちはおとなしいから…」
という言説で,あきらめず,子どもたちの可能性を引き出していくのが教師の大切な仕事だと思うのです。



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