世界的に見て、学校教育というのは、アカデミックな知識や技能を習得させることが大きなねらいであって、それ以上でもそれ以下でもないことがほとんどです。

アカデミックな知識や技能というのは、学問的なそれらという意味です。つまり、義務教育のそれぞれの教科には親学問があり、将来それらを習得するための基礎的な知識や技能を身につけることが目標となっているのです。

欧米のドラマや映画を見る限りですが、知識や技能の習得以外に問題があるときは、学校教育ではない専門の医師やカウンセラーなどの別の機関が受け持つようになっているようです。

しかし、日本の学校教育はそうではありません。
アカデミックな学力以外の指導も学校教育の射程に入っているのです。

これが、学校の先生の忙しさの原因の一つと言えるのではないかと思います。
ただ、これを省いてしまっていいのかという疑問も残ります。

というのは、アカデミックな学力は、それ以外の学問に対する興味や関心、態度に左右されることが研究で明らかになっているからです。そして、それらの力をアカデミックに対してエモーショナルな学力と呼んでいます。

日本では、明治維新以降の学校教育で、このアカデミックとエモーショナルの両面を指導することが要望されました。それは、明治以前の教育に原因があります。

明治以前というと、江戸時代になります。
実は、この時代、同じ年代の世界と比べてはるかに高度で広範な教育が行われていたのです。
それが、寺子屋であり、藩校です。

この時代の教育を引き継いだので、日本の学校教育では、指導する内容が多くなったのです。
しかし、これも日本という制度や文化の影響を受けています。この影響をゼロにするのはなかなか困難だと思います。

ということは、この影響を引き継ぎながら、子どもたちにアカデミックとエモーショナルの両面の学力を身につけられるようにカリキュラムや単元を考えたり、授業の工夫をしたりしなければならないのです。

それが、日本の制度や文化の中で、子どもを育てることになるのです。 

 
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