「教育実践を語る」服部英雄のブログ

授業のこと,学級経営のこと,家庭教育のことなど,教育全般にかかわることについて,これまでの経験や研究をもとに語っていきたいと思います。

道徳

2年生道徳「ドッジボール」

いつものように家庭学習でお話を読ませ,中心人物である「ゆか」さんの行動に棒線を引かせておきました。ですから,授業は,その棒線を引いたところの交流から始まります。 

最初に出てきたのは,「ゆか」さんがドッジボールのチームで,仲良しの友達と同じチームになることでした。その時に,嬉しい気持ちなどを理解していきました。一方,ドッジボールがあまりうまくない「ななみ」さんとも同じチームになり,そのことは「少しいやだな」と思ったことについても考えさせました。

子どもたちは,この二人に対する「ゆか」の気持ちの違いを考えていき,仲良しの友達にはいいけれど,「ななみ」さんにはよくないと考えました。

しかし,この考え,子どもたちの普段の姿からは,少し離れています。というのも,2年生は自己中心的な考え方が主であったり,その行動規範は先生に叱られないからというような「いい子ちゃん」思考が強かったりするからです。

実際,この「ゆか」と,同様の思いを持つ子どももたくさんいました。

そして,二人にボールが当たった時の「ゆか」さんの行動を吟味していきました。
仲良しの子には励ましたり慰めたりしますが,「ななみ」さんには叱責します。子どもたちは,仲良しの子に対する声かけはいいと考え,「ななみ」さんへの言動はひどいと考えました。

確かに,頭で考えるとそうなると思います。これも,「いい子ちゃん」思考だと言えます。この思考をいかに変えていくかがこの授業のねらいであり,それが道徳的実践力になります。

ここまで子どもたちは,仲良しの子への言動はいいけれど,「ななみ」さんへの言動はよくないと考えました。しかし,このように公平でない言動が問題だということに気づく子どもは少なかったのです。

そこで,この「ななみ」さんの心情を考えることで,仲良しとの不公平な扱いに対する心情を捉えさせていきました。子どもたちは,『仲良しの子と違うことを言われて,しょんぼりしている』や『落ち込んでいる』のように心情を考えていきました。

そして,『「ななみ」さんがこんなふうに思うのはいいことなんだろうか』 と考えさせました。子どもたちは,ほぼ全員がよくないと判断しました。しかし,ここでも,普段の自分の行動とは別物というような意見を言う子どもが何人かいました。

そこで,『「ななみ」さんがこんな気持ちにならないためにはどうすればよかったのだろう』『みんなだったらどうしますか』と考えさせました。

すると,『「ななみ」さんにも仲良しの子と同じように声をかけたらよかった』や『みんな同じように声をかければよかった』『仲良しだけじゃなく』などの意見が出てきました。さらに,子どもたちに今回の教材の価値である「公正・公平」に気づかせたいと考え,『今出た意見で,特に大切なことはどれですか』と,問いました。

子どもたちはなかなか「みんな同じ」や「だけじゃなく」などに気づきませんでしたが,ようやく何人かの子が気づき,それに賛成かどうか考えさせました。そして,それらが大切なことを確認し,こう言うのを「公正・公平」と言うと意味づけました。

ここで,本時の学習を振り返り,作文させました。
本時の授業後の板書は,今は,手元にないので明日,掲載したいと思います。
  

 
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2年生道徳「きつねとぶどう」

この教材は,「物語型」の教材です。
登場人物は,親ぎつねと子ぎつねです。

お話は,お腹がすいた子ぎつねのために村にぶどうをもらいに行った親ぎつねが,もらった帰りに休んでいると,猟師と猟犬が子ぎつねに近づいていることに気づきます。そして,大きな声で子ぎつねに危険を知らせ,子ぎつねは助かります。しかし,親ぎつねは子ぎつねの元に帰って来ません。子ぎつねは親ぎつねを探しますが見つからず,何年か後に元巣があった近くにぶどうの木があり,親ぎつねが自分を守ってくれたことに気づきます。

教材の道徳的な価値は,家族愛やよりよい家族関係を築くこととなります。
それをねらいとして,授業を展開しました。

子どもたちは,授業以前に,親ぎつねと子ぎつね行動がわかるところに棒線を引いています。
それを交流しながら,二人の心情について考えられるようにしました。

お話の筋に沿って,子ぎつねと親ぎつねの心情を考えていきました。
そして,子ぎつねを思う親ぎつねの心情に迫っていきました。

子どもたちは,親ぎつねが『自分のことより,子ぎつねのことを考えている』『子ぎつねのことが心配』『早く逃げてという気持ちだ』のように理解していきました。

一方,親ぎつねのことについては,「帰ってきませんでした」というところから,『猟師に見つかってしまった』『猟師に鉄砲で撃たれたんだと思う』のように考えを交流していきました。

ここで,この親ぎつねのことをどう思うかと考えさせました。
『子どもを守った,がんばった』
『子どもに長生きしてほしいと思っている』
『子ぎつねを思った』
『自分が死んでも,犠牲になっても,子ぎつねを助けたい』
のように深く考えることができました。

そして,住んでいたところの近くにぶどうのふさを見つけたところから,親ぎつねが自分のためにここまで帰ってきたことや自分を助けてくれたことに子ぎつねが気づいたと理解し,「お母さんありがとう」という言葉を発した子ぎつねの心情を考えていきました。

子どもたちは
『自分を守ってくれて「ありがとう」という気持ちになった』
『自分の盾になってくれたんだ』
『感謝していると思う』
のように考えを深めていきました。

以上のようにきつねの親子の心情から,そのつながりの強さを学習し,自分に置き換えて考えるようにしました。そして,その考えを振り返りカードにかかせ,本時を終えました。その時の板書が次の通りです。

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2年生道徳「一りん車」

今日の道徳は,「一りん車」という教材でした。
これまでの学習と同様に,子ども達は,家庭学習で読んできています。
それだけでなく,ひでくんとまさきくんの行動についても線を引いています。

ひでくんとまさきんんの行動について考えさせるというのは,この教材が「物語型」だからです。
これまで,道徳の教材を,
(1)物語型
(2)説明的文章型
(3)説話型
(4)伝記型
と分類してきました。

そして,(1)の物語型では,登場人物の行動について吟味するのが,道徳の授業としていいという考えからなのです。行動について吟味すれば,その行動の心情も読み取ることができますし,その行動の善悪や問題点についても考察することができるからです。

子ども達は,二人の最初の行動は,悪くないと考えました。
なぜなら,一輪車が大好きということや,走って行って一輪車を取りに行くこと,それでめいっぱい遊ぶことなどは,自然なことだからです。

一人だけ,走って早く行くことに疑問を持った子どももいました。その子は,その理由をうまく説明できませんでしたが,他の子のことを考えずに我先に行くのがよくないと考えたようでした。

次の行動は,二人が,次も一輪車で遊びたいから,一輪車を倉庫の裏に隠しておくというものでした。
これについては,ほとんどの子どもがよくないと判断しました。

ただ,その判断の理由にこだわってみたいものです。
その理由には,道徳的な判断があり,それがコールバーグの言う道徳的な発達との関連があるからです。

子ども達は,いろいろな理由を挙げました。
『他の子ども達も遊びたいと思っているのに』
『自分たちだけのことを考えている』
『先生に見つかったら叱られる』
などなどです。

以上は,子ども達の判断ですが,登場人物の二人は,どう思っているのかということには気づきませんでした。そこで,教師から,『二人は,隠したことがよくないとわかっているのだろうか』と,問いかけました。すると,ほとんどの子どもが,『わかっていない』と答えました。

それにつなげて,『それがわかるところはどこですか』と,発問しました。
すぐに子ども達は,「うまくいったね」や「次もこうしよう」というところを見つけました。

ここから,二人の心情に寄り添うようにしていきました。
先生が朝礼で話している時に,「むねがどきどきした」気持ち。
黙って,「下を向いている」ときの気持ち。

ここで二人は,ようやく,自分たちのしたことの問題に気づくのです。
このことを確認して,では,『どうすればよかったのだろう』と考えさせました。

子ども達は,「隠さなかければいい」「順番を決めればいい」などの意見を出しました。そして,「使ったものは,きちんと元に戻す」という決まりと,それを守ることの大切さに気づいていきました。

ここにいたって,問題解決と決まりの遵守という道徳的な実践力と価値の理解ができたと言えるのではないかと思います。本時後の板書は,次の通りです。


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道徳科校内研修会資料

明日は,隣市の小学校の校内研修会に講師として参加させていただきます。
その学校は,この秋に食育の研究発表を控えています。
その指導案の検討に参加させていただくのです。

それと同時に,道徳科の授業づくりについてもお話させていただきます。
ですから,校内研修会は,前半が指導案検討,後半が道徳科研修となります。

その後半の研修会の資料を作成したので,紹介したいと思います。

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 はじめに
・道徳科の授業の困難さ
・「発問ー応答」型から「参加ー構成」型へ


1.道徳の授業の困難さ

(1)教材分析について
・毎週,教材分析をしなければならない。
  国語や算数なら,一つの単元の教材分析をすれば,数週間はその必要がない。
・教材の特性がいくつかある。
  教材の特性の類別化…物語型,説話型,説明的文章型,伝記型
  ピンチはチャンス。

(2)授業の形態
・「発問ー応答」型になりがち。
   登場人物の心情を子どもたちに問う。…発問
   子どもたちは,その問いに答える。……応答
・板書に絵や図が多用される。

(3)授業の深まり
・心情追求型…どのような心情を子どもたちが気づけば,深まったと言えるのか。
・既有の道徳的価値から新たな道徳的価値への気づき。

(4)評価
・板書の活用
・ワークシート…道徳ノートの工夫
・振り返り作文


2.「発問ー応答」型から「参加ー構成」型へ

(1)教材の類型化
・物語型…登場人物の行動,様子,心情が出来事とともに変容する。
  登場人物の行動を吟味し,道徳的心情を読み取る。
・説話型…ある体験や経験を語りながら,語り手が主張をする。
  語り手の心情を読み取る。
・説明的文章型…文章内容に説明的要素が多く,最後に語り手や人物の主張がある。
  初めて知ったことを読み取る。
・伝記型…偉人や有名人のしたことや遭遇したことを感動的に語る。
  すごいなと思ったことを明らかにする。      

(2)「参加ー構成」型の授業
・授業前に,子どもたちは教材を読み,自分なりの考えを持つ。
   人物の行動や語り手の心情に線を引く。
   初めて知ったことやすごいなと思ったことに線を引く。
   道徳的に問題だと思ったことに印をつける。
・授業の開始は,子どもたちの交流から。

(3)「対話的」な話し合いを構成する
・「うながす」「つなぐ」「もどす」「ゆさぶる」「問い返す」「せまる」「意味・価値づける」
・「自分なりの考え」を「自分たちの考え」に。

(4)板書の活用
・子どもの考えや思いを構造的に
・「対話的」の話すことの記録に…「対話的」の評価に活用できる     


3.おわりに


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2年生道徳「虫が大すき ーアンリ・ファーブルー」

道徳の教材について分析すると,大きく四つの種類に分かれます。
それは,「物語型」「説明的文章型」「説話型」「伝記型」です。

それぞれ特徴があります。
「物語型」では,起承転結が明確で,道徳的に悪い行動と良い行動が書かれています。
ここでいう,「行動」とは,会話も含みます。

また,「説明的文章型」では,「はじめー中ーおわり」の構成になっていて,そこに読者が知らないような内容が書かれています。

そして,「説話型」では,一人称の経験を語るものが多く,そこには起承転結が含まれています。

最後に,「伝記型」では,偉人の子どもの頃から偉業をなすまでのプロセスが簡単に紹介され,その偉業に関わる形で,道徳的な価値が埋め込まれています。

以上のような類型を知っておくと,授業の展開が楽です。
つまり,「物語型」では登場人物の行動に着目させる,「説明的文章型」では初めて知ったことに着目させる,「説話型」では一人称の行動や心情に着目させる,「伝記型」ではその偉人についてすごいなと思ったことに着目させる,わけです。

そして,それらを交流しながら,道徳的な価値に気づかせ,その教材に出会う前の価値についての認識から,教材に出会った後の価値の認識へと高めていくように授業を構想すればいいのです。

今回の教材は,「伝記型」です。
ファーブルの子ども時代から大人になってからの偉業について,そのすごさを話し合いました。
そして,その中にある,「にがしてやる」という行為について考えさせることで,命の大切さについての認識を更新できるようにしました。

授業後の板書は次の通りです。

 
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