「教育実践を語る」服部英雄のブログ

授業のこと,学級経営のこと,家庭教育のことなど,教育全般にかかわることについて,これまでの経験や研究をもとに語っていきたいと思います。

単元構想

活動テーマは、最後から

単元における各次の課題やめあてを決める時、一次から順につくることが多いように思います。
これは、学習する段階を最初から順に決めていこうとする発想が強いからでしょう。

確かに、まずこれを学習して、次にこれを学習して、そして…というように考えるのが自然なように思われます。しかし、このように考えていくと、各次の繋がりがうまくいかないという問題に出会してしまうのです。

例えば、国語科の物語教材の場合。
まず、お話の大体を理解させて初発の感想を書かせよう。次に、各場面ごとに登場人物の心情を読み取らせよう。そして、最後に…うーん、何をしようか。教科書にあるように音読劇にしよう。
のように考えがちなのです。

しかし、これでは、お話の大体を理解することと、各場面ごとに心情を読み取ることと、音読劇をすることが、うまくつながらないのです。教師の論理ではつながっても、子どもたちの学びの道筋としてはつながっていないのです。

この問題を解決するために、最後の活動を考え、そこから遡って設定するという方法がいいのです。
例えば、上の例で言えば、単元主題は「音読劇」でしょう。
それに至るための最後の活動は、「音読劇を完成させよう」や「音読劇を発表しよう」になるでしょう。

そして、完成させるためにはという発想で、「音読の工夫を考えなければならない」や「劇のためのシナリオを作らなければならない」というように考えていきす。

すると、「音読の工夫を考えよう」や「シナリオをつくろう」が、その前の活動となります。さらに、
単元構想の背景に「自分なりの読みー自分たちの読み」があることから、「自分なりの工夫/シナリオをつくろう」「自分たちの工夫/シナリオをつくろう」のように二つに分けることができます。

以上ののような考え方で、単元を構想すると、単元主題は、「音読劇を発表しよう」となり、活動テーマは、「自分なりの工夫をしようー自分たちの工夫をつくろうー音読劇を完成させよう」のようになります。

このように最後から順に作っていくと、完成した時に各次の繋がりが明確であるとともに、学びの過程が子どもたちにもスッと理解できるものになるのです。


 
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活動テーマは子どもと一緒に

このような活動テーマやそれに該当する課題やめあては、学習の直前になって子どもたちに知らされることが多い。例えば、国語科で「お話の大体を把握しようー場面ごとの登場人物の気持ちを読み取ろうー同じ作者の作品を読もう」のような学習課題的なテーマを設定しているとき、一次の学習に入るときに「お話の大体を把握しよう」を提示し、その学習をする。

この段階では、子どもたちに二次の「場面ごとの登場人物の気持ちを読み取ろう」は示されておらず、子どもたちは二次の学習に入る直前に知らされる。三次についても同様である。  

このような単元の展開では、子どもたちの学習は受け身にならざるを得ない。また、各次で活動する内容のつながりも見出しにくい。気持ちを読み取って、どうして同じ作者の作品を読まなければならないのかという疑問が生じるのである。これは、活動テーマでも同様で、活動の直前に知らされたのでは、学習は受け身になるし、各次のつながりを実感することも難しい。  

そこで、各次のテーマを単元導入時に、子どもたちに提示するという方法が考えられる。そうすれば、一次のテーマが終わるときには、次のテーマを知った上で学習に入ることができる。つまり、子どもたち自らが、次に学習することを知っていることになり、活動に対する構えができていることになる。これが、子どもたちの学習を能動的にする。

それだけでなく、子どもたちが単元全体の流れを知っているということは、自らの学習についてモニタリングすることも可能となる。子どもたちは、自らの学習を単元全体の流れの中のどこを学習しているかということを理解し、必要に応じて修正することもできるのである。

このようなあらかじめ教師が用意したテーマを知るだけでも、子どもたちの学習は受け身ではなくなるが、より能動的に学習できるようにするのが、活動テーマを子どもたちとつくるという方法である。  

単元主題が、子どもたちにとってリアルなものであれば、その主題に含まれている内容についても良く知っている。例えば、「ナビゲーション」なら「ルート選択」や「案内」「到着時刻」などを知っている。それらを子どもたちと確認しながら、活動テーマに活用すればいい。そして、「案内」を活用することとして、「自分なりの案内をつくろうー自分たちの案内をつくろうーナビを完成させよう」のように活動テーマを子どもたちと一緒につくるのである。  

もちろん、子どもたちが主題に含まれている内容を知らない場合もあるだろう。そんな時は、教師が、こんなのがあると紹介すればいい。紹介された内容でも、主題が子どもたちにとってリアルで興味深いものであれば、子どもたちは関心を持って受け入れる。

 
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活動テーマを設定する

この活動テーマは、それぞれの学習内容を直接表す場合とそうでない場合がある。

例えば、算数科の「九九のひみつをさぐろう」という活動テーマでは、子どもたちが学習する内容は九九の仕組みを理解することであり、学習内容を直接表していると言える。

一方、社会科では、「自分なりの絵コンテをつくろう」や「絵コンテを改良しよう」という活動テーマでは、子どもたちが学習する内容は興味のある事象を調べたり、それを交流して学びを深めたりすることであり、学習内容を直接表しているとは言えない。

これは、国語科や理科でも同様で、例えば「白いぼうし」の「ふしぎさ」を見つけたりはっきりさせたりする活動テーマは、子どもたちが登場人物の行動・様子や心情を読解するという学習内容をそのまま表したものではない。

しかし、「自分なりの絵コンテをつくろう」と思えば、調べ活動をきちんとしなければならないし、「絵コンテを改良」するためには、交流活動で学びを深めなければならない。また、「ふしぎさ」を見つけるためには自分なりに教材と向き合って読解しなければならないし、はっきりさせるためには交流を通して読みを深めなければならない。

このように見てくると、活動テーマは、子どもたちの学習の目的となっていることがわかる。それだけでなく、子どもたちの学習内容を促進させるものであると言える。なぜなら、活動テーマをより充足させようという子どもたちの意欲が高まるからである。その意味からも、活動テーマは、子どもたちの学習意欲を高めるものだと言える。


 
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単元主題が決まったら活動テーマを設定する

単元主題を設定したら、次に活動テーマを設定する。

「参加―構成」型の単元モデルとして、単元を「自分なりの考えー自分たちの考えー自分の考え」という三次構成にすることを示してきた。この三次構成の一つ一つが、単元の具体的な活動であり、単元主題に到達するための活動である。それらの活動を具体化してテーマ化したものが、活動テーマである。 これまで紹介した単元の流れを例に示す。

国語科 四年生「白いぼうし」
単元主題「決定! ふしぎさナンバー・ワン」
活動テーマ「お話のふしぎさを見つけようーふしぎさをはっきりさせようーナンバー・ワンを決めよう」

算数科 二年生「かけ算」
単元主題「九九たんけんたい出どう」
活動テーマ「九九のちずをよもうー九九のひみつをさぐろうー見つけたお宝をしょうかいしよう」

社会科 五年生「日本の工業」
単元主題「日本の工業のCMをつくろう」
活動テーマ「自分なりの絵コンテをつくろうー絵コンテを改良しようーCMを完成させよう」

理科 六年生「ものが燃えるしくみ」
単元主題「サイエンスショーを開こう」
活動テーマ「自分なりのショーをつくろうーサイエンスショーをつくろうーサイエンスショーを発表しよう」

上の活動テーマと単元主題とを見ると、活動テーマが一貫としていて単元主題に直結していることが分かるだろう。例えば、国語科の「白いぼうし」で見ると、「ふしぎさ」が一貫しており、それを見つけてはっきりさせ、最後にナンバー・ワンを決定する。その決定が、単元主題そのものとなる。

また、算数科の「かけ算」でも、探検隊として、地図を読み、秘密を探り、宝を紹介するというように一貫している。これらの活動が、単元主題の「たんけんたい」に直結するのである。

以上のように見てくると、単元を貫く活動が明確になり、単元主題に直結するものが活動テーマであると言える。 

 
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