「教育実践を語る」服部英雄のブログ

授業のこと,学級経営のこと,家庭教育のことなど,教育全般にかかわることについて,これまでの経験や研究をもとに語っていきたいと思います。

評価

評価の抽出・整理モデル

昨日の細分化・精緻化モデルでは、社会的・文化的状況を判断したり目指す子ども像を設定したりするのは教師である。そして、単元の目標をはじめ、評価の規準や基準を設定するのも教師である。

もちろん、その判断や設定時に子どもの状況や心情を鑑みて行われる。しかし、その目標や評価の枠組みは、子どもにとっては所与のものとして子どもたちの外側に存在することになる。それでは、前項で示した評価の問題は解決されない。  

そこで、新たなモデルを創出した。教師や子ども、環境とのかかわりから生まれる授業の内実から、教師や子どもが評価できるものを抽出して整理していくモデルである。

実際、授業をしていると、十分評価できる活動に出くわすことがある。それは、教師の予想や想定を超える思考や技能であったり、子ども同士も相互に認め合えるような発言や表現であったりする。

それらを授業から抽出していく。 そして、それを学習前に設定していた細分化・精緻化モデルの目標や評価の枠組みと照合したり、それらを更新したりする。

さらに、更新された目標や評価の規準・基準は、次の単元や学年のそれらを設定するときに活用される。 この受容・評価される学びは、子どもたち周知のものである。

それが目標や評価に反映されるということは、それらが子どもの内側にあることを意味している。また、教師の想定を超える学びも評価できるので、先の評価の問題を解決することも可能である。

ただ、この二つのモデルは、どちらかが優れていてどちらかだけで良いというものではない。両方をうまく組み合わせながら、子どもたちの学びが促されるような評価にすることが大切なのである。
  

 
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評価の細分化・精緻化モデル

教育における評価の問題は、教育が目指す目標との関連を抜きには考えられない。それは、教育が社会の制度であり、その制度のもとに実施され、設定された目標がどれだけ達成されたかということで評価されるからである。

社会の制度であることから、社会や文化からの要求を目標とすることが常である。それを具現化したものが学習指導要領であり、そこに教育の目標が示されている。

そして、各教科や領域の特性に応じて分けられ、それぞれの目標が設定されている。さらに、各教科や領域では、学年ごとの目標が設定されており、目標は次々と細分化されている。  

一方、各学校では、子どもたちの実態から目指す子ども像が設定される。学習指導要領の目標が、教科や学問的なものであることに対して、こちらの目標は、子どもたちに具体的に実践するための目標だと言える。

そして、その目指す子ども像と学習指導要領の目標を照らし合わせながら、具体的な各教科や領域の目標、各学年の目標が設定されることになる。  

ここまでの過程でも、社会的・文化的状況からの大きな目標から、教科や領域の目標、そして目指す子ども像を見据えた各学年の目標というように、目標は細分化されている。さらに、学年の目標から単元の目標へと細分化される。

この時、目標に準拠して評価の規準が作られる。そして、それぞれの規準のどこまで到達すればいいかという基準が設定される。これが、単元の目標に準拠した評価の枠組みとなる。

それを元にして、日々の授業の目標が設定され、評価活動も毎時間行われる。これらは、細分化することで、より精緻な評価をしようとしていると言える。そこで、このような評価の流れを「細分化・精緻化モデル」と呼ぶことにした。

  
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子どもの学びを促す評価

多様多種の評価をうまく組み合わせることで、適切な評価ができると考えます。

特に、単元にリアルな主題を設定し、単元の出口を表現としている単元観では、オーセンティック評価を核にして、他の評価を組み合わせながら評価していくのが良いと考えています。

その中でも、ポートフォリオ評価は、学びの過程や質を評価することができ、これまでの評価の問題点を解決することができるでしょう。

これまで、述べてきた評価はどちらかというと、評定に近いものです。子どもたちの学びを評価しつつ定めるという意識が強いと思います。

しかし、評価は評定と異なることもこれまでに述べた通りです。評価は、子どもたちの学びを促進するものでなければなりません。

日々の声かけや励まし、受容と承認、それらを評価活動に取り入れることで、子どもたちの学びはより促されると思います。時には、それを目的に評価をしても良いと考えています。

子どもによっては、低い評価を受けてそれに立ち向かっていこうとする子どももいます。一方、低い評価では挫けてしまう子どももいます。

ですから、子どもに応じて評価するということも重要なのです。一律に客観的、絶対的に評価するのではなく、それぞれの個に応じて評価することも大切だと思います。

そうなれば、評価が曖昧になるという声もあるかもしれません。ですが、大切なことは、子どもたちが学び続けるかどうかであり、そのためには学ぶ意欲を持ち続けることが必要です。

その意味からも、個に応じた評価というのも考えなければならないと思うのです。
 

  

 
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評価の問題点

教育の評価には、様々な種類がある。その中でも戦後教育では、個人内評価を加味した相対評価と、目標に準拠した絶対評価が、主たるものであろう。

相対評価とは、集団標準に基づいてテストの特典や成績評点を標準化する方法である。つまり、テストの結果を受験者全体の得点分布と関連させて示す方法である。

一方、絶対評価とは、一定の到達基準と比較して、学習者がどこまで到達しているかを示す評価である。そのためには、目標を分析して明確化・構造化し、学習者が今どこに到達しているかを判断しなければならない。  

この相対評価と絶対評価は、どちらにも利点と不利点がある。特に、ここでは不利点について示したい。相対評価は、集団標準に基づくため、その集団が異なる場合でも、同じような評価がされる。例えば、学力が高い集団における評価と、学力が低い集団の評価が、それぞれの得点分布と関連させるため、学力は異なっているにもかかわらず、同じ評価がなされてしまう。

つまり、評価が同じB評価でも、実際の学力をそのまま示していることにはならないのである。また、この評価はテストを通して行うため、テストを通して見えやすい学力は評価しやすいが、思考力や判断力、関心や意欲などの評価は難しいという問題もある。

そこで、個人の中での頑張りや学力を評価する個人内評価を加味する評価が登場してきた。その評価は、教科内に観点を設定し、それぞれの観点について他者との比較ではなく個人内の力や成長を評価するものである。  

一方、絶対評価は、到達基準を設定するが、どこまで子どもが到達しているのかということが、客観的に評価することが難しい。評価者の主観が入りやすいのである。

そうなると、先生や学校によって評価が大きく違うという問題が生じる。また、到達基準を設定しても、その基準を余裕で超えてくる子どもの力を評価することも難しい。到達基準を超える基準を設定していないからである。

別の見方をすれば、到達基準を楽に超えているのだからそれでいいと評価しても、どれだけ超えているのか、どのように超えているのかは評価できない。さらに、その評価の基準を設定するのが教師であることから、その基準が子どもたちの外側に所与のものとしてあることも問題である。子どもたちは、どんな評価基準があるか知らずに、学習することになる。そして、その基準が自分自身に適切であるかどうかということも判断できない。  

相対評価、絶対評価の他にも、パフォーマンス評価、オーセンティック評価、ポートフォリオ評価などがある。それぞれについて簡単に説明する。  

まず、パフォーマンス評価であるが、子どもの学習の達成状況を、求める技能や能力を実際に用いることができるかを評価しようとするものである。ペーパーテストの問題により評価するのではなく、実際に技能や能力を活用させる場を設定し、そこで評価する。国語科の作文や理科の実験を通しての評価や、音楽科や図工科、体育科などの実技による評価などが、それに当たる。  

次に、オーセンティック評価であるが、オーセンティク(真正)な文脈、すなわち子どもたちはリアルな課題に取り組み、そのプロセスで子どもたちが実際に用いる技能や能力を評価しようというものである。やや③のパフォーマンス評価と似ているが、「リアルな課題」というのが異なる。  

最後に、ポートフォリオ評価であるが、ポートフォリオとは、元々は書類を入れる紙挟みや、ファイルのことを言う。ファイルに学習活動の中で示した学習成果を示す事例や作品を入れて保存する。保存することが評価そのものとなり、学びの履歴となる。

  

 
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指導と評価の一体化3

その例として、子ども自信に自己評価の指標を作らせることを紹介する。教材は、五年生の国語科「大造じいさんとガン」である。そして、図1の写真が、子ども自身が作成した評価の指標である。


IMG_0410 (1)


一番上の四角囲みの中には、単元主題である「残雪とじいさんの戦いを実況しよう」を、そして三つのテーマの枠の中にはそれぞれの活動テーマを書き込んでいる。そして、「これができればOK」の欄には、それぞれの活動で自分なりの到達目標を記入している。

例えば、一つ目のテーマ「自分なりの実況をつくろう」では、『実況のために、気持ち、行動などがわかる大切な言葉をたくさん見つけられたらOK』のようにである。二つ目以降も同様である。

そして、活動テーマが終わるごとに、あるいは各授業後に、それらを元に自己評価をする。 それが、振り返りカードとなり、そこでは、新たに学んだこと、感じたこと、思ったことを書かせながら、自己評価できるようにする。

ちなみに、「先生から」の欄では、活動テーマごとの教師の評価を記入している。また、「※」では、何を評価して欲しいかという評価の対象を、子ども自身が決定して記入している。


 
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