教育実践研究所「EduPrac」服部英雄のブログ

授業研究、生徒指導、学級経営、子育てなど教育実践全般についてのブログです。

特別活動

七夕集会16

現任校では,毎年7月7日に,七夕集会を行います。
これは,特別活動の児童会活動,その集会活動になります。

例年,6年生が企画して,準備・運営をします。
今年度も,同様に,6年生が中心に準備をしています。

その行事の主な内容は,次の通りです。
・七夕の劇…6年生が自分たちで考えた劇を披露します。
・ゲーム…全校生が楽しめるゲームを考えています。
・個人の願い…優秀賞を決定します。
・学級の願い…学級ごとに願いを発表します。

この中でも,6年生が活躍するのは,七夕の劇とゲームです。
ゲームは,6年生で分担して,ゲームの説明と親交をします。
それは,ゲームさえ決まってしまえば,ある程度準備完了です。

それより時間がかかるのが,劇です。

このような劇を考える時,より時間のかからない方法があります。
これは,七夕だけでなく,学習発表会などの劇にも応用できます。

一般的には,劇のシナリオをつくってから,配役を決め,シナリオを覚えて,立ち稽古,通し稽古とやるのではないでしょうか。
しかし,これでは,シナリオができないと先に進めないことになります。

実際には,シナリオの検討,配役の決定,それから練習となり,時間がかかってしまいます。

一番時間のかからない方法は,次のようなものです。
まず,配役を決めます。

そして,大まかな話の筋を決めます。
そのあとすぐに,実際に子どもたちにやらせてみながら,セリフやナレーションを決めていくのです。

そうすると,立ち稽古しながらシナリオが決まっていくことになります。
また,実際にやりながらなので,同時にシナリオを覚えることも可能です。
ですから,時間がかからないのです。

セリフが決まってシナリオができたら,立ち稽古です。
実際に立ち位置を決めていくというものです。

あとは,それぞれの精度を上げていくことになります。

教師は,演出家になることはなく,「この時,どんなセリフを言う?」「どんな動きにする?」と問いながら,子どもたちのアイデアを引き出していきます。

そして,教師の何よりも大切な仕事は,BGMや効果音楽を用意することです。
BGMが決まると,それに合わせて,演技の始まりや出や入りを決めることができます。
つまり,音楽を合図にすることができるのです。

この音楽ですが,著作権の関係もあるので,オリジナルを用意することもあります。
とにかく,音楽が劇を盛り上げることにもなり,重要な要素となるのです。

このようにして作った劇を,全校生の前で披露します。
このことが,子どもたちの表現力を育むことにつながると考えているのです。


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自然学校

今日から5年生が自然学校に行きました。
今日から,四泊五日の体験学習です。

四泊五日というと長いですね。
今度,子どもたちが,学校に,いえ自宅に帰るのは金曜日です。
それまで,集団活動,宿泊活動をします。

昔は,それだけでホームシックにかかる子どももいました。
この,四泊五日の自然学校を全国の皆さんはどのうよに思われるでしょうか。

それだけ自然体験ができるのは,とてもよいことだという賛成意見。
文科省は二泊三日程度といっているのに,そんなに長い期間が必要なのかという反対意見。

賛成,反対いろいろあるのではないかと思います。

このような自然体験活動というと,前任校の兵庫教育大学附属小学校のそれを思い出してしまいます。
前任校では,四泊五日という長い日程ではありませんでしたが,学校の教育カリキュラムにきちんと,宿泊する自然体験活動が組まれていました。それを紹介したいと思います。

まず,4年生で,宿泊訓練をします。
これは,一泊二日で,自炊して子どもたちだけで宿泊するというものです。
そこには,自然を体験することもありますが,どちらかというと,親元を離れて宿泊するという経験をすることがねらいだったように思います。

子どもたちは,それまで,親元を離れ,子どもたちだけの集団生活として宿泊したことがなかったのです。ですから,これから本格的に始まる自然体験活動の準備的に,宿泊体験をすることは,意義あることかと思います。

次に,5年生です。
5年生では,林間学校と,スキー教室が,それぞれ二泊三日でありました。
林間学校では,兵庫県で一番高い山「氷ノ山」に登ります。

そのために,行く前から,ランニングや体力づくりをして,その後林間学校に出発します。
登山のために,きちんとパーティーを組んで,リーダーや体力的に弱い子どもなどをうまく配置して,登山をします。

この登山,かなりきつく,子どもたちにとっては,それを成し遂げた時に,達成感と自信を得ることができ,達成型の自然体験となっています。

一方,スキー教室は,普段体験できない冬の自然を体感するための自然学校です。
とはいえ,これは,スキーのインストラクターをお願いして,指導していただきます。
しかし,自然を体感することの学びは,担任の教師とともに行います。

以上の,4,5年生の体験活動は,いずれも担任が引率していきます。もちろん,担任だけではできないので,同校の他の先生や,学生の助力をお願いします。それでも,指導の中核は担任です。

その結果,もう一つのねらい,「教師と子ども,子どもと子どもが,ともに宿泊生活をすることで,濃密な関係を築く」を達成することができるのです。

この,一番の象徴が,6年生の自然体験活動である臨海合宿です。
この二泊三日の活動には,全職員が関わります。

全職員と,6年生全員が,六つの班に分かれ,水泳訓練を海で行います。
そして,足のつかないところでの泳力訓練をしたのち,最終日には,全職員と子どもたちで,大遠泳をします。その距離,850mです。

これは,なかなかの体験です。いろいろと克服しなければならないことがあります。
それを担任や教師とともに,子どもたちが克服することで,子どもたちのたくましい力となっていくのです。

このような三年間の体験活動で,子どもたちは確かにたくましくなります。成長します。それだけでなく,その力は,学校に帰ってきても,きちんと発揮されるようになります。なぜなら,そのたくましさや成長を担任や教師集団は知っているからです。

さらに,中学に入ってからも,あるいは大人になってからも,子どもたちを支える心の糧となりえます。実際,卒業生からもそのような話を,たくさん聞きます。

さて,自然学校ですが,このような,教師と子ども,子どもと子どもの濃密な関係がどれだけつくられているのでしょうか。また,自然学校で学んだことが,学校生活や,今後の成長にどれだけつながっていくのでしょうか。

それは,どんな活動をだれとどのようにするかということにかかっていると思います。

 


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紙飛行機

今日の5時間目は,6年生の授業でした。
夏休み前ということもあり,特別授業です。

その内容は,紙飛行機を飛ばすというものです。

紙飛行機というと,紙を折ってつくるのをイメージされるのが一般的だと思います。
もちろん,これも楽しいのですが,この活動では,なかなか学びまで高めることができません。
単に,折って飛ばして…という活動になりがちなのです。

しかし,この紙飛行機。
その学習内容によっては,航空力学という親学問を含め,「努力」「丁寧」「勤勉」「継続」などの学習価値を学ばせることができます。

「風立ちぬ」のアニメ映画をイメージしてください。
その中で,主人公の堀越二郎が,紙飛行機を制作して飛ばすというシーンがあります。
あの飛行機に近いのです。

実際につくったのは,二宮康明氏設計の紙飛行機です。
二宮氏は,「子どもの科学」という雑誌のコーナーで,長年紙飛行機を紹介されてきました。
そして,その傑作選が本になっています。

残念なことに,そのほとんどが,絶版となっています。
いくつか入手可能な本を購入して,それを使って学習にしました。

この紙飛行機,本当によく飛びます。
距離にして百メートル以上,時間にして1分以上,飛びます。

そのこと自体が楽しいのです。
子どもたちは,夢中になって飛ばしていました。

このような学習は,単に楽しいだけでなく,上述のような価値を学ばせることができます。
さらに,何度か作成することで,技術の向上を期待することもできます。

学校は,教科の学習を指導するだけの場ではありません。
子どもたちの興味あるようなことを,いろいろ提示し,そのどれかに子どもたちが取り組む,それが子どもたちの可能性を開くことだと考えています。

 

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学級目標

昨日,今日が始業式だったと思います。
新しい学年,学級が始まりました。

さて,新しい学級の学級開きには,担任の学級経営方針を子どもたちに伝えます。
「こんな学級にしたい」…めざす学級像
「こんな子どもをめざしてほしい」…めざす子ども像
「これだけはがんばってほしい」…努力事項
などを伝えます。

これらは,あくまでも担任,教師の願いです。
これとは別に,子どもたちの,この一年をどのように過ごしたいかという願いもあります。 
その願いを具現化するのが,学級目標です。

もちろん,担任のめざす学級像がそのまま学級目標になってもかまいません。
ただ,それでは,学級目標も教師から与えられたものとなってしまいます。
子どもたちにとって,切実感が乏しくなってしまうのです。

そこで,学級目標は,子どもたちに考えさせます。
その方が,目標に対して子どもたちはこだわりをもちますし,こだわりを持つ方が1年間継続して頑張るのです。

では,どのようにして学級目標を決めればいいのでしょう。
いきなり,子どもたちに,
「どんな学級目標にする?」
と聞いても,子どもたちは困惑するでしょう。

そこで,まず,学級をまとめていくためのシンボル,象徴を決めます。
学年によって,伝え方は考えなければなりません。
低学年の子どもに,シンボルといってもピンとこないのは,容易に理解いただけるでしょう。

例えば,低学年なら,
「僕達の学級を代表するものを考えましょう」
「花とか空とか,分かりやすいものがいいですね」
などの働きかけをします。

このとき,教師の方で腹案をいくつかもっておかなければなりません。そうしないと,教師も分からなくなって,話し合いがはいまわりになってしまうからです。

そうやって,シンボルを決めたら,
「どんな〜がいいのか」
「〜から想像したり,連想するものは何か」
という問いかけで,ブレインストーミングをします。

シンボルに関係していれば,そこから連想されるものであれば,なんでもいいので,子どもたちから言葉を紡ぎ出していくのです。教師は,それを黒板に書いていきます。言葉で黒板がいっぱいになれば,とりあえずOKです。

そして,それらの言葉の中から,組み合わせて自分たちのイメージにぴったり来るものを設定するのです。このとき,教師のアイデアが重要となります。
「これとこれで,こんな風にもできるよ」
「 こっちより,この方がかっこいいね」
のように,提案していくのです。

この提案をするときの,ひらめきが教師としての楽しさです。
そして,うまく決まったときは,教師も子どもも喜びに変わります。

このようにして,決まった学級目標は,子どもたちにとって,思い入れの深いものとなります。それが子どもたちのこだわりや,切実感につながるのです。

さらに,このようにして決まった学級目標は,シンボルが明確であり,それを図工でデザインで表現したり,言葉で説明したりというように広がっていきます。

「学級目標も,子どもたちの手で」
これが,大切だと思います。

 

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卒業式

いよいよ卒業式です。
卒業生である6年生の子どもたちは,いつもより遅く登校してきます。

それなのに,毎年,かなり早く登校してくる子どもが何人かいます。
今年も,いました。

それも,かなり早くより,もっと早い時間に登校してきたのです。
なんと,ふだん通りの時間で,登校班の子どもたちと一緒に登校してきたのです。

式までは,2時間あります。
教室で読書をして待っていると言い,そうしました。

午前10時から式が始まります。
卒業生入場から始まり,1同礼,そして証書授与です。

このとき,「平成25年度,卒業証書授与されるもの。第6学年1組」と呼び始めるのですが…。
ここで,言葉に詰まってしまいました。
「第6学年」のところで止まってしまったのです。

それは,「平成25年度…」と言ったところで,卒業台帳の去年のところが目に入り,
「今年度は25年度でよかったのか…」
と考えてしまったからです。

時間は短く,すぐに「1組」と言い,最初の子どもの名前を呼びました。
その後は,滞り無く授与が進んでいきました。

授与の後が,学校長を始め,いろいろな人の話があります。
本市では,校長先生,市教委,市役所,市議会議員,PTAと五人もの方がそれぞれお話をされます。

やはり,五人というのは,多いように思います。
6年生は自分たちの式なので,それを聞くのも仕方ありませんが,在校生にとっては,ただただ話が続くだけで,かなりしんどいことだったと思います。

この後,卒業記念品の贈呈があり,いよいよ「別れの言葉」です。
子どもたちがつくってきた呼びかけを,表現するときなのです。

昨日の家庭学習で,どの言葉を大切に,どんな気持ちで伝えるか考えてくるようにしておきました。
その力を発揮する時です。

どの子どもも,これまでの中で一番といっていい表現をしました。
特に,お母さんに感謝を述べる子どもは,途中で泣いてしまいました。
そして,泣きながら「ありがとう」と言いました。

言い切ったその子がすごいのですが,次,言うのを待っていた子もすごかったです。
「ありがとう」と言い切るまで待ったからです。

来賓の方や,保護者の方は,感動されていました。

歌もしっかりと歌いました。
呼びかけもがんばりました。
感動的な表現となったと思います。

ここまで,泣いている子どもは,二人程度でした。

しかし,退場のとき,一気に緊張が解けたのでしょうか。
感情が湧きでてきたのでしょうか。

ほとんどの子どもが泣いていました。
きっと感動したのでしょう。

その姿に,「感動あふれる卒業式をつくろう」の単元が成功裏に終わったことを感じたのでした。

 

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