「教育実践を語る」服部英雄のブログ

授業のこと,学級経営のこと,家庭教育のことなど,教育全般にかかわることについて,これまでの経験や研究をもとに語っていきたいと思います。

授業研究

市内国語担当者授業研究会

今日の5時間目は,授業研究会でした。
市内の国語担当者の先生が集まってこられます。

授業は「海の命」です。
先日,指導案をこのブログに紹介しました。

今日の学習は,5場面です。
太一が,父の仇とも言えるクエと対決する場面です。

子どもたちは,頑張って発言しました。

まず,「不意に夢はかなうものだ」というところから始まり,太一がクエと出会ったところの叙述にこだわって,自分なりの読みを交流しました。

そこから,出会ったクエがの描写の読み取りに移行していきました。
そこでは,「宝石のような」という比喩に着目し,読みを深めていきました。

さらに,クエの表現で,同じような比喩的表現がないか探させました。
すると,
「黒いしんじゅのようなひとみ」
「刃物のような歯」
「岩そのものと思える」
などの叙述に気づきました。

そこで,比喩というのが,何か別のイメージを付加して,イメージを広げるものだと説明し,どんなイメージがつけ加えられているのかということを話し合いました。

例えば,「黒いしんじゅ」では,先の「宝石のような」と関連させながら,
『キラキラしている』
『輝いている』
などのイメージを抱くことができました。他の比喩表現も同様でした。

次に,そんなクエと出会った太一の行動から,その心情を読み取っていきました。
ここからは,丁寧に読み取りながら,太一の心情が変化するところを見出せるようにしました。

どのように変化するかというと,父の仇と思って対峙している心情から,微笑んで「おとう,ここにおられまししたか。また,会いに来ます。」という心情への移り変わりです。

ここをどう読むのか,ということが,重要になってきます。
それが,最後の「海の命」の考察や,一人前の漁師と呼べるかということの考察につながってきます。

太一は,何を父だと思ったのか,与吉じいさが海に帰ったということがどう関連してくるかなどが読みの手ががりになります。

それらを交流していきました。
特に,驚いたのは,普段からおとなしくてあまり発表しない子が,つぶやき指名をした時に,
「海の命は,海を守っているようだ」
といったことです。

この発言は,授業を参観されている先生にとっても驚きだったようです。

この授業を振り返って,子どもたちが言葉にこだわりながら授業に参加していったことが重要だったと思います。そのことは,事後研でも質問という形で出てきました。

それらに答えながら,質問を刺激と捉えることができ,とても楽しい時間を過ごすことができました。

 


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K市小学校国語科校内研修会

明日,午後から,K市の小学校の校内研修会に講師として参加させていただきます。
この小学校には,初めて訪問するので,とても楽しみです。

この研修会の資料を作成しました。
それを紹介したいと思います。

この小学校では,「対話」を研究テーマの中に組み込み,授業力の向上を目指しておられるようです。そのことに少しでも資するようなお話が出来ればと,資料を作成しました。

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 はじめに
・授業にかかわって
・授業づくりについて

1.授業にかかわって
(1)言語活動を単元の中核に
・単元主題の設定…子どもが夢中になって取り組める言語活動…※資料1 パフォーマンス
・読解活動と表現活動の関連づけ…部品と全体

(2)言語活動のとらえ直し
・読解活動も言語活動であることの再認識…イメージ化…※資料2 イメージの系統化
・過程としての言語活動/結果としての言語活動

2.授業づくりについて…※資料 授業DVD
(1)一人学習の重視
・棒線を引く
・メモをする
・ワークシート(ノート)にまとめる…※資料3 ワークシート

(2)コーディネーターとしての教師のかかわり…※資料4 子どもと教育
・うながす
・つなぐ
・もどす
・ゆさぶる
・問いかける
・せまる
・意味/価値づける

(3)ヤマ場をつくる
・レトリックで…反復,対比,比喩
        反復,反復の中の対比,ファンタジー構造,回想構造,額縁構造 ・場面やお話の筋で

(4)板書の工夫…※資料5 板書例
・教材の構造を示す
・子どもの学び(読み)を構成する
・すべての子どもの発言を

3.おわりに

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 明日の研修会が楽しみです。


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1年生国語「たぬきの糸車」

「たぬきの糸車」の教材分析と指導案です。

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  「たぬきの糸車」は、おかみさんといたずら者のたぬきのかかわりを描いた作品である。最初いたずら者のたぬきとしか思っていなかったおかみさんが、自分のまねをすることから「いたずらもんだが、かわいいな。」と思うようになったり、わなにかかったのを助けたりする。ここまでのかかわりで、おかみさんはたぬきに対する認識を変容させていると言える。一方たぬきは、冬の間に、おかみさんをまねて、たくさんの糸を紡ぐ。それは、一見、わなから助けてもらった恩返しだと言えるが、単に、自分がやりたかった糸車のいたずらを、やり遂げたのだとも言える。たぬきの心情描写が少ないので、どちらだとは断定しづらい。いずれにせよ、おかみさんとたぬきのかかわりが作品の面白さを生み、読者を引き込んでいくと言える。

 このような物語を読んでいく子どもたちは、自ずとおかみさんに同化する。それは、おかみさんが視点人物であり、たぬきが対象人物となっているからである。つまり、語り手はおかみさんの側にいて、おかみさんの目でたぬきを見たり、おかみさんの心の中に入ったりしているのである。また、「むかし、ある 山おくに」という始まりから昔話の形態をとっていることや、最後の「かえって いきましたとさ。」から語りの文体であることが分かる。以上のことから、このお話の特徴を考えると、昔話の語りでおかみさんに同化して読むことを促すと言える。

 このようなお話の特徴を生かすパフォーマンスとして、「おはなし出てこい」を設定した。「おはなし出てこい」というのは、学校放送用にたくさんのお話を収録した音声教材である。そこでは、一人の語り手が、お話を読み聞かせてくれる。中にはBGMや効果音などもあって、「ラジオドラマ」に似ている。「たぬきの糸車」をそのお話の一つとして設定し、子どもたちが語り手になって、お話を語る。  具体的な学習の流れは「ラジオドラマ」とほぼ同じである。ただ、単元の主題が少し異なるのと、「自分なりの読み・自分たちの読み・自分の読み」という流れを強調するため、活動テーマを次のように設定した。それは、『自分の「おはなし出てこい」をつくろう』『自分たちの「おはなし出てこい」をつくろう』『「おはなし出てこい」をろく音しよう』である。

 まず、一つ目の活動テーマでは、子どもたちが音声表現したい場面をそれぞれ選び、どんな語りの工夫をするかワークシートにまとめていく。そのとき、どんな叙述にこだわったのかもはっきりさせておく。

 二つ目のテーマでは、場面ごとに自分の工夫やこだわった叙述を交流し、おかみさんの心情やたぬきの様子や行動を読み深めていく。場面は、一つ目が最初からおかみさんが二つの目玉に気づくまで、二つ目は「いたずらもんだが、かわいいな」まで、三つ目はおかみさんたちが春になって小屋に戻ってくるまで、四つ目が茶色のしっぽがちらりと見えたまで、五つ目が最後までの五つである。

 三つ目の活動テーマでは、これまでの学習を振り返りながら、自分の語りを改良して完成させ、最後に録音する。そして、活動をよりリアルにするため、BGMや効果音も用意して、「おはなし出てこい」を完成させる。

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詳しい教材分析については,また次回やりたいと思います。

 

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4年生国語「三つのお願い」2

昨日のブログで紹介したように,今日は,A市の小学校で,国語の校内研修会がありました。
それに,講師として参加させていただきました。
この小学校には,昨年度から関わらせていただいています。

研修会は,授業公開とその事後研と研修会です。
授業は,4年生の「三つのお願い」です。

公開される学級は,今年度の7月に私が授業させていただいた学級でした。
そのことを子どもたちが覚えていてくれて,教室に入るや,子どもたちが「服部先生」「こんちには」と口々に呼んでくれました。

中には,「サインをください」という子どもまでいて,授業前に,サイン会となってしまいました。
後で聞くと,担任の先生が,私のことをかなり持ち上げてくださっていたようで,子どもたちも忘れずに,覚えていてくれたようです。

そんな中,授業が始まりました。
担任の先生は,まだ,30前のお若い先生です。

しかし,その先生と子どもたちの関係が良いことは,授業が始まって,すぐに分かりました。
先生の話しかけや問いかけに,全ての子どもたちが一生懸命応えようとしていたからです。
このような関係が重要です。授業を通して,また,その他の学校教育活動全てを通して,このような関係を築いてかなければなりません。

そんないい関係の中,授業は進んでいきました。

三つ目のお願いを明確化し,二つ目のお願いとの比較をします。そして,これらの間にある違いは何なのかという観点で学習が進んでいったのです。

子どもたちは,先生の問いかけに一生懸命応えていました。
中には,鋭い意見もありました。
読みの内容が鋭いのです。別の言い方をすると,深いとも言えます。
登場人物の心情を読み取りながら,授業は展開していったのです。

これだけ子どもたちが,先生の問いかけに食いつき,読みも深いものであるなら,別の展開も可能なように思いました。それは,教師の問いかけを減らし,子どもの読みを教師がつないでいくような展開です。

授業のヤマ場は,どこでノービーの心情が変化したかという討論でした。
子どもたちは,積極的に自分の考えを発表しました。いくつか意見が分かれ,より盛り上がりました。
ただ,先生の読みとは,少し違う意見もあったようです。

事後研では,そのあたりのことをどのようにまとめれば良かったのか,ということが話題となりました。
また,感想文という文字パフォーマンスをどのように単元化するのか,一人学習をどのようにさせて,授業で活用するのかということが話題となりました。

それらについて,私の方から助言させていただきました。

心情の変化については,そのような投げかけで,子どもたちが考え,いくつかの許容されるところでまとめる方法。それに,教師も一人の読者として読みを紹介する方法。この方法では,教師の読みを正解として伝えたり,それを教え込んだりしてはいけません。あくまでも1つの読みとして紹介するのです。

感想文の単元化では,一般的な感想文ではその型が決まっているので,あまり面白くない活動になることが多いのです。ですから,活動の内容はほとんど同じで,その型をいろいろと工夫するということで,「お話しょうかい」や「ブックレビュー」,「書評」などの言語活動を紹介しました。

一人学習についても,これまでもお話してきたと思ったので,簡単に説明しました。
子どもたちの学習経験や発達段階に応じて,ワークシートの形式を工夫するということです。
また,それを活かすためにも,コーディネーターとして子どもの発言を受容しつつ構成すること,また,授業でヤマ場を用意しておくことなどについてお話しました。

どの先生も,熱心にメモをとりながら聞いてくださいました。
さらに,事後研の後も,校長室で数名の先生方が参加されて,研修会の二次会という感じで,会が盛り上がりました。そこでは,いろいろな話が出て,あっという間に時間が過ぎていきました。
やはり,このような研修会,お話は,楽しいなぁと改めて感じた1日でした。

 

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授業実践懇談会

今日の夕方,ある先生が,本校へいらっしゃいました。
1学期の授業実践や,これからの授業づくりについて,いろいろとお話を聞き,またお話をしました。
授業実践についての懇談会と言えるのではないかと思っています。

まず,「話を聞く」ということについてです。

昨日の淡路市での授業から,「話を聞く」ということについて,懇談しました。
「話の聞き方」を指導するとき,その方法をトレーニングなどで習得し,それを交流活動で活用するという考え方があります。

しかし,これでは,習得しないと活用できないことになってしまいます。この問題は,新学習指導要領の,「習得ー活用」の考え方と同じで問題があると考えています。

なぜなら,子どもの学びというのは,「習得しつつ活用」「活用しつつ習得」という形を取ることが多く,「習得の後,活用」という形をあまり取らないからです。このような段階的,ステップ的な学びというのは,子どもたちにそぐわないのです。

もちろん,最初に「話の聞き方」という技能を指導し,それが理解できるようにします。しかし,これで習得できたとは言えないのです。むしろ,習得と活用の準備ができたと考える方がいいと思います。
この準備の後,「習得しつつ活用」「活用しつつ習得」,これらを螺旋的に指導していくのです。

次に,算数の学習法についてです。

ここでは,子どもたちの交流活動についてお話しました。
交流活動を授業の中核にすえるため,予習課題の設定について懇談しました。

私の場合,教科書を積極的に活用するような予習課題を出して,家庭学習させます。例えば,5年生の「分数の足し算」だと,「分数の足し算はどうやるのだろう」のような課題を出すのです。子どもたちは,教科書を参考に,この課題に取り組みます。そして,その取り組んだ内容を,話し合い,交流するのです。

また,この課題づくりでは,教科書の類題をそのまま課題にすることもあります。ここでも,その前に書いてある「例題」を参考にしつつ,自分なりの回答をつくっていくのです。

この自分なりの回答,つまり課題への取り組みで,必ずするのが,文字言語による説明の作文です。

算数というと,計算の式と答えと,子どもたちも教師も考えがちですが,どうしてそのような式になったのか,どのように答えを導きだしたのかということも,ノートにきちんと文章でまとめさせるのです。まさに,これが言語活動となります。

このようなお話をしていると,あっという間に1時間30分という時間が過ぎていきました。
やはり,教育に関わるお話,実践に関わるお話をともにするのは,楽しいものだと改めて感じました。


 

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