「教育実践を語る」服部英雄のブログ

授業のこと,学級経営のこと,家庭教育のことなど,教育全般にかかわることについて,これまでの経験や研究をもとに語っていきたいと思います。

意欲

学習意欲の検討

昨日のブログにも書いたように,実践から研究を眺めてみるという方法で,今日考察を始めました。
日々の実践から,子どもたちが意欲的に取り組んでいることを箇条書きで抽出しました。
そして,それが心理学やその他の学問からどのように意味づけられるかということを考察するのです。

今日は,まだ,実践からの抽出しかできませんでした。
今日,抽出したことを以下に示したいと思います。

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  学習形態
・自由相談
・自由発表
・自由活動
・参加型
・提言重視
・相互作用重視

学習内容
・プロジェクト型
・学習の流れを決める
・一人学習(自分なりの考え)
・課題,学習場面の選択
・表現活動(身体活動)
・自己評価
・意味づけ/価値づけ

家庭学習
・予習課題
・予定連絡
・学習時間の確保
・言語活動重視

学校生活
・立候補制(学級代表)
・希望制(係活動,掃除場所,委員会活動)
・自己選択

指導言
・ほめる,しかる
・評価的フィードバック
・私メッセージ
・認める
・指示の工夫
・自立をうながす
・子どもの呼び方
・共感的な言葉がけ

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これから,それぞれの意味について考えていきたいと思います。

 

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奈須正裕「学ぶ意欲を育てる」

この週末に読み始めました。
奈須正裕氏の「学ぶ意欲を育てる」です。
1996年,金子書房からの出版です。

まだ,全部を読んでいませんが,書き出しはかなり過激です。
現行の学校教育に対して,面と向かって論じています。

赤ちゃんで意欲のない赤ちゃんはいないから始まり,幼稚園児も同様で,意欲がなくて,何もしない幼稚園児を見たことがないと断言しています。 

そして,そのようにやる気や意欲が満々の状態から,それがなくなっていく過程について説明しています。そのなくなるピークが6才,つまり,小学校入学時だというのです。

確かに,小学校の制度には,氏の言うとおりさまざまな規制があり,それに適応できない子どももたくさんいるでしょう。その不適応の子どもを,意欲がない,性格に問題がある,のように診断するのは,間違っていると思います。

そして,小学校の勉強が,勉めて強いるものであることも間違いありません。なぜなら,1年生から学習内容は,指導要領や教科書によって定められていて,それを習得することが絶対となっているからです。

また,その習得のために,学級というシステムや授業の形態,担任と子どもの関係,家庭学習などが,それまでの子どもたちにはなかったものとして,新たな制約となって登場するのです。

ですから,6才が,つまり小学校入学時が,意欲の一つの壁になっていることは,間違いないでしょう。

ただ,ここまでの論では,高度な制度の規制という,子どもたちにも教師にもどうすることもできないものとして論じています。つまり,ここまで読むと,教師も親も,子どもの意欲を育てることが,制度や社会システムとして不可能なように思えてくるのです。

しかし,著者は,そんなことはないといいます。まだまだ学校は,変わることができるというのです。 この論の展開には,やや強引さを感じます。学校教育というのが,高度に制度化され,そこにシステムとして子どもの身体や情動がはめ込まれるというのだから,そして,それが意欲をなくすことにつながっているというのですから,そこからどのように変わることができるのかという見通しが立たないのです。

それでも,そのような強引な論から,次の章に展開していきます。

それは,内発的動機づけです。この言葉は,意欲を取り上げている文献には必ず登場します。

その中身として,氏は,「好奇心」「関心・意欲」「こだわり」の3つをあげています。これも納得できます。「好奇心」が人間の学ぶ原動力であり,それをもとに行動し,体験し,学んでいくのです。

では,その「好奇心」をどのように育てていけばいいのでしょうか。そのことについては,特に論じられていません。育て方というよりは,「好奇心」を受動的な心情としてとらえているようです。つまり,何か刺激があって,それに対して「好奇」な気持ちが湧いてくるというのです。そして,その気持は,これまでの経験や体験との微妙なズレが引き起こすというのです。

しかし,これまでの学校教育でも,そのようなズレを,教材研究や発問で引き出そうと努力してきたと思います。ただ,教材研究や発問では,ズレは引き起こせても,好奇心を育てるまではいかないのです。

それ以上書いていないので,氏の論をまとめることはできませんが,実践上,「好奇心」を育てることについて気づいていることがあります。それは,子どもたちが興味や関心を持つようなことを,教室環境に持ち込むことです。

この,興味・関心は子ども一人一人で異なるので,さまざまなものを用意しなければなりません。
しかし,教師が,子どもたちのそれらをくすぐるような,ものやことを教室に用意しておくことで,子どもたちの「好奇心」が育つのです。

この考え方に則って,私の教室には,さまざまなものが置いてあります。例えば,将棋の駒と将棋盤,けん玉,パズル,メダカ,ピアノ,ギター,パソコン,Ipad,トランプなどなどです。これらは,どれも,学習と無関係ではないと思っています。

まだ,文献を全て読んでいるわけではありません。これから,読破して,また,このブログで紹介したいと思います。

 

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家庭学習の指導

子どもたちが家庭学習に,どのように取り組ませるのか。
これは,結構,難しくもあり重要な指導です。

ときどき,保護者の方からご意見をいただくことがあります。
「宿題が多すぎて,なかなか終わりません。もう少し減らしてもらえませんか?」
また,逆のご意見もあります。
「宿題が少なすぎて,家で学習をしません。もう少し増やしてもらえませんか?」

新学年になって,担任が変わったときに,このようなご意見をいただくことが多いように思います。
保護者の方にしてみると,昨年度の家庭学習と比較して,上のようなことを学校に要求されるのだと思います。

しかし,ときどき,意外なのが,上の二つのご意見を同じクラスの保護者からいただくことです。
同じ家庭学習の課題を出しているのに,保護者の方のとらえ方が違っているのです。

これは,子どもたちの能力に関係なく,すべての子どもに同じ一定の家庭学習を出したときに起こりがちです。つまり,同じ課題でも,ある子どもにとっては少なすぎるし,ある子どもにとっては多すぎるのです。

この問題は,家庭学習を全ての子どもに同一に,定量与えることから生じていると言えます。いわゆる,全体主義的な家庭学習の出し方なのです。

もちろん,低学年では,このような課題を出すことで,家庭学習の習慣づけをはかるという,重要な意義があることも考えられます。しかし,高学年にもなって,このような家庭学習を課すると,個人差に対応でき無くなってしまいます。

このことは,学習能力が低く,家庭学習の時間がかかってしまう子どもたちの,学習意欲の低下を生じてしまいます。つまり,力がない分,時間がかかってしまう。時間がかかるからやる気が無くなる。やる気が無くなるからやらない。よけいに力が付いていかない。このような学習意欲を中核にした,悪循環に陥ってしまうのです。

家庭学習の最大の課題は,子どもたちが意欲をもって,家庭学習に取り組むにはどのようにすればいいかということです。どのような課題を出せばいいのか,また,どのような指導をすればいいのか,ということです。

家庭学習では,できるだけ学習意欲を喚起し,高めるような物でなければならないと考えています。そのためには,復習課題ではなく予習課題にすることです。復習課題では,学校での学習がきちんと理解出来ない子どもや忘れてしまった子どもなど,課題をこなすのに時間がたくさんかかってしまいます。一方,よくできる子は,すぐに終わってしまいます。時間がかかれば,それだけ意欲が低くなるのは,簡単に想像できると思います。

また,具体的な指導では,やってこない子どもに体罰ではないペナルティ(学校に残してやらせる等)を与えることが結構あるようです。しかし,これでは,よけいに子どもの学習意欲が無くなります。

具体的な指導では,誰のための家庭学習かということをきちんと理解できるようにすることです。ペナルティや叱りがあるからやる,つまり,それらを避けるためにやるのではなく,自分のためにやるということをきちんと理解させるのです。ただし,これは,中学年以上です。このことが理解出来ない子どもたちに,いくら説明してもだめです。

その他にも,いろいろと指導法があります。それらをここで,全て書くことはできません。少しずつ書いていきたいと思います。 


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やる気の問題

やる気,すなわち学習意欲が,重要だと常々考えています。

PISAの世界的な学力調査でも,その結果の順位はまずまずでも,家庭学習の時間や学習意欲に関するアンケートでは,かなり下位の方となっています。これは大問題だと思うのですが,一時期にマスコミで取り上げられるだけで,その後はかなり無関心となっているように思います。

例えば,テストの結果,つまり順位をあげるために,学力向上をめざしたプロジェクトが組まれることがあるのに,学習意欲向上のそれが組まれることはないのです。

しかし,この学習意欲こそが,学力を向上させたり,子どもたちの将来にわたっての学習を支えたりするものなので,重要なのです。

今日も,この学習意欲が,子どもたちの学力にとって重要であることを痛感させられる出来事がありました。それは,漢字の小テストです。

これまでも,家庭学習で漢字の学習を課した次の日,その漢字をテストしてきました。小テストにもかかわらず,全員が100点をとるということは難しかったのです。

そこで,家庭学習は何のためにやるのか,つまり漢字の書き取り練習は何のためにするのかということを指導しました。それは,覚えるためです。覚えられず,小テストで100点をとれないとすれば,その書き取り練習は,意味がないのです。

そのことについて,昨日,少し厳しめに指導しました。なぜなら,100点をとる子どもがあまりにも少なかったからです。それと同時に,やる気を出して集中して練習することで,覚えられる程度が違ってくることも指導しました。

そして,今日です。漢字の小テストをしました。
すると,全員が100点だったのです。子どもたちに,これまでの学年で,このようなことがあったかと聞くと,なかったと答えました。

つまり,やる気を出して,集中して,何のための学習かということがきちんと理解できれば,子どもたちは,確かな学力を発揮することができるのです。

このことは,漢字のテストだけではありません。全ての学習に通じることです。
やはり,子どもたちの学習意欲をどのように高め,集中させ,必死に取り組ませるかということを,我々教師は,もっともっと真剣に考えるべきなのです。



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学習意欲

今,いえ,今に限ったことではないかもしれませんが,それぞれの学校でさまざまな問題が存在します。特に,中学校は,思春期の子どもたちを育てること,学力格差が拡大していることなどが問題でした。これは,中学校だけの問題ではありません。中学校に進学する前の段階としての小学校のありようが問題だからです。

例えば,学力です。中学校になっても九九が言えない,簡単な小数や分数の計算ができないなどの問題があります。これらは,小学校段階で徹底して指導していないことが原因と思われるかもしれません。しかし,小学校の先生も必死で,全ての子どもたちにこれぐらいの計算ができるようにと指導しているのです。それでも,中学校で,そのような学びの姿を露呈するのです。

では,それは,家庭環境の問題でしょうか。確かに,K首相の様々な改革(改悪?)の結果,格差社会が出来上がりました。子どもたちをとりまく社会が,既に格差社会なのです。ですから,その格差の中で,子どもたちも学力に格差がでるのも仕方がないと考えてしまいがちなのです。つまり,教育の問題を格差社会の問題に還元してしまっては,あまりにも短絡的なのです。それでは,何の解決も生まれないのです。

それとは逆に,そのような子どもたちの現実を受け止め,それでも子どもたちに確かな学力を身につけさせようとするのが,本当の教師の姿ではないでしょうか。

そのためには,格差社会を受け止め,子どもたちが学ぼうとする意欲を育てることが重要だと考えます。格差や学力(全国学力調査のような学力)とは異なって,子どもたちが知りたい,できるようになりたいなどの欲求を喚起する教育が必要だと思うのです。

そのためには,さまざまな技術を開発しなければなりません。なぜなら,そのような学習意欲を真っ向から意識して教育技術を論じたことが,これまで少ないからです。心理学などで,意欲について研究されていますが,それはあくまで実験室の中でのことです。子どもたちが,今,生きているその現実の中での研究ではないのです。

その意味で,現場の教師こそが,その意欲についての知見を有すると考えられます。なぜなら,子どもたちが意欲的になる場面,あるいはそうでない場面に直面できるのは,現場の教師のみだからです。そして,このような教師の知見を集結して,理論や技術を組み上げたいものです。

現場の教師は,日々の実践に,もっと自信を持ってよいと思います。かりにうまくいっていないと感じるような実践も,そこには,なぜうまくいかないかという背景があるはずで,それを考察することが,知見として自らの中に積み重なっていくからです。

学習意欲が,これからの教育の大きな課題となっていくように思います。


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