「板書をしていると,字がまっすぐ書けない」
という話を聞いたり,実際にそのような板書を見たりすることがあります。

国語や道徳のように縦書きの場合,斜めになってしまうわけです。また,社会,算数,理科などの横書きの場合,右上がりになってしまったり,右下がりになってしまったりするわけです。

これをまっすぐに書く方法があります。

「姿勢を正しくして,体の中心で書くようにする」
確かに。縦書きの場合は,これでもまっすぐ書けます。
では,横書きは?

「手を同じ高さで書けばいい」
それができないから,斜めになってしまうのです。

実に簡単に解決する方法があります。
ヒントは,黒板消しです。

黒板の文字を消す,黒板消し。鹿児島県では,ラーフルと呼ぶそうですが。ちなみに,ラーフルというのはオランダ語で「ぼろ布」という意味だそうです。昔は,ぼろ布でチョークを消していたのでしょう。

それはさておき。その黒板消しですが,その使い方にコツがあるのです。

まず,あらかたチョークの文字を消します。
きっと,黒板には,まだチョークを消した後が残っているはずです。

それをきれいに仕上げるときに,縦書きの場合は,黒板の縦のふちにそって上から下へ,スーッと黒板を拭きます。次は,その隣をというように,黒板消しの幅で次々に消していくのです。
すると,うっすらですが,チョークの残り粉が縦にきちんと残ります。これが,縦書きの罫線の役割をするのです。

横書きの場合は,黒板の横のふちにそって左右に,スーッと黒板を拭きます。すると縦書きのときと同じように,横の罫線がうっすらと残ります。

縦書きでも,横書きでも,その薄い罫線にそって文字を書けば,まっすぐに書けるのです。

さらに,この罫線を意識して書けば,ずっと黒板の方を見ている必要がなくなります。黒板に対して斜めに立って,子どもを視野に入れながら,文字をまっすぐ書くこともできるのです。これは,ちょっと慣れが必要ですが…。

字をまっすぐ書くだけで,子どもが「きれい」「すごい」とほめてくれます。

このように,まっすぐ書きながら,以前書いたようにチョークの色を使い分けると,きれいな板書になるのです。ただ,ぼろ布では,このようなことはできませんが…。